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中国ゲーム大手のネットイース(網易)はセガサミーホールディングス傘下セガのゲームクリエーターで「龍が如く」シリーズの生みの親として知られる名越稔洋氏の移籍に向け、現在詰めの交渉を行っていることが30日までに明らかになった。複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。

Toshihiro Nagoshi (Sega Games) Portrait Shoot, Tokyo
名越稔洋氏
 

  正式合意に至ればセガが9月24日に予定しているゲーム「LOST JUDGMENT: 裁かれざる記憶」の発売以降に発表される見通し。ネットイースと、同社のライバルで中国インターネットサービス大手のテンセント・ホールディングス(騰訊)は、競うように日本のゲーム人材の取り込みを加速させており、著名クリエーターの移籍が実現すればネットイースにとって大きな前進となる。

  両社に詳しい複数の関係者によると、テンセントも近年、日本の中小ゲーム開発会社に相次いで出資していた。現在も新たな1社との交渉が最終段階で、年内にも発表される可能性があるという。

  両社は世界的な大ヒットを生む可能性に賭け、「ACG(アニメ、コミックス、ゲーム)」と呼ばれる日本のコンテンツ群を自社のラインナップに加えるために何年にもわたり投資してきた。こうした動きは、慣例的に中国からの投資に懐疑的な日本でも徐々に受け入れられ始めている。 

  世界最大のゲーム会社でもあるテンセントは、日本のコンテンツを足がかりに、映像作品や音楽など幅広い商品群を展開するディズニーのようなグローバルメディア企業の構築を目指している。

  ゲームコンサルタント会社カンタンゲームスのセルカン・トト代表は「両社は日本に存在するほぼ全ての上場ゲーム開発会社と話し合いを持ったほか、一部の非上場企業にも積極的にアプローチしている」と述べた。その上で、中国市場でゲーム規制が厳格化されている事情もあり、両社とも日本での取り組みに躍起になっていると話した。 

  テンセントは今夏、ゲーム子会社がポケモンと共同開発した「ポケモンユナイト」の提供を開始。ほかにも中国で制作され大ヒットとなったオンラインゲーム「原神」のような、当初は無名ながらも将来大化けする可能性を秘めたゲーム資産の「青田買い」を世界各地で仕掛けている。

  テンセントとネットイースにコメントを求めたが、両社の広報担当者から回答は得られてない。セガサミーホールディングスの広報担当者は、名越氏が退職の意向を伝えたかとの問い合わせに対し、個々の社員の去就については回答を差し控えると述べた。

  複数の関係者によると、両社はこれまで中小のゲーム開発会社や個々のクリエイターに焦点を当ててながら日本で20件以上に投資してきた。また、投資先は日本にとどまらず、両社は北米でゲーム開発会社を設立したほか、テンセントは韓国や欧州でもゲーム開発会社に資金を投入している。

テンセント、日本のアニメ・漫画関連企業に再び秋波-出資攻勢かける

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